家族で一緒に過ごす時間の大切さ。子どもの教育への影響とは?
最終更新日:2020/03/29
家族で一緒に過ごす時間を作ろう!
一家団欒という意味はご存知でしょうか。「団」と「欒」はともに丸いと言う意味で、団欒は丸く輪のようになって座る、集まって仲むつまじくするという意味です。
「家族で一緒に過ごす時間があった方がいい」と頭では分かっていても、きちんと時間をつくることは簡単ではありません。
子どもたちから「遊んで!」と言われることはあるけれど「また、今度ね」とついつい後回しにしてしまったり、お誕生日やイベントなどのお祝いくらい一緒にしたいと思っていても、いつも誰かしら欠けてしまっていたり。ようやく時間をとれたと思ったら、今度は子どもたちがゲームに夢中で相手をしてくれない、なんて親御さんも多いのではないでしょうか。
「家族の時間」は意識するだけではなく、日々の習慣の中に組み込んでいかないと、なかなかできないものです。今回は、そんな忙しいママやパパでも取り入れられるような「家族の時間の作り方」とその効果についてご紹介します。
家族団欒の時間をつくるのは大変
最初にお伝えしておきたいのは「家族が一緒に過ごす時間」は、自然とできるものではないということです。共働きのご家庭も多いでしょうし、仕事の都合はなかなか動かせません。
共働きでなくても、ママはお子さんの学校行事や、家事、習い事の送り迎えなど、色々あります。それに加えて、子ども自身も習い事や、宿題、お友達との約束があることを考えれば、全員のスケジュールを合わせるのはけっこう大変なことなのです。
その上、親御さん自身も、忙しい中でようやく作った時間には休みたい、好きなことをしたいということもあるでしょう。あまり無理をしすぎるのは、ママやパパのためにもよくありませんし、子どもにもいい影響は与えません。
それでも、家族で過ごす時間を持った方がいい理由
忙しさなどの理由だけではなく「家族は近いからこそ分かってくれる」や「いつでも、時間をとれる」といった、親しい間柄ならではの甘えもあるかもしれません。
それでも、子どもの成長は待ってくれません。親子の時間は有限で貴重なものです。10歳までにどれほど親子のコミュニケーションをとれたかで、その後の親子関係が決まってしまうという説もあります。残念ながら「時間ができてから、取り戻そう」では、うまくいかないこともあるのです。
ここからは、実際に家族が一緒に過ごすことで、子どもが得られる効果をご紹介します。
効果①子どもの安心感につながる
子どもは親との会話やスキンシップによって、自分は受け入れられているという安心感を得られます。
家族とおしゃべりすることが、自分の話を聞いてもらえる、認められていると言う認識につながり、「自分はこれでいいんだ」と言う自己肯定感を生み出します。
また、自分が十分に受け入れられているということを子どもに肌で感じさせ、情緒が安定し、人間関係の基礎となる社会性を育てることにつながります。
効果②家族間で話しやすい空気感が作れる
自分が受けられていると言う気持ちから、信頼関係ができ、子どもが心の内にしまってあることを打ち明ける環境を作れます。
またそういった信頼関係から、普段からお互いの言いたいことが言えるので、家族の関係も良好になるでしょう。
一家団欒の時間の作り方
「一家団欒をなかなかできない」というご家庭は「家族で過ごす時間」が習慣の中に組み込まれていないのかもしれません。家族の時間も一つのスケジュールとしてとらえ、時間を確保することをおすすめします。そうすれば「可能なときに」というイレギュラーではなくなります。
ここからは、一家団欒の時間の作り方の3つの例をご紹介していきます。
①ごはんの時間を合わせる
まずは家族でごはんの時間を合わせることです。
「毎日、夕飯を一緒にとる」ことができれば、理想ですが全員そろうのは現実的でない家族も多いはずです。それでも、金曜日か土曜日の夜のどちらかは家族で食べられるようにスケジュールを工夫したり、朝食だけは家族揃って食べるなどの工夫をしてみてはいかがでしょうか。
このときにやってはいけないことは、子どもに「早く食べなさい」と急かしたり、マナーについてしっかりすぎることです。子どもにとって一緒に食事すること自体の印象がマイナスなイメージになりかねません。一緒にとる食事を義務にしてしまうと、しんどくなってしまいます。せっかくなら、参加している家族全員が楽しめるようにしたいものです。
また、家族揃って食事できる機会が限られている場合は、食事中にはテレビを消して、食事や会話に集中できる環境を作っていきましょう。
②家事のイベントをつくる
次に、家事をイベントにすることです。面倒くさい家事も楽しくなりますし、ママの負担も減ります。
例えば大掃除です。1日がかりになってしまう大掃除は、立派なイベントです。時間も手間もかかる大掃除も、みんなで分担してやることで、時短にもなりますし、家族みんなで達成感を感じることで家族の絆も深まります。
また、家族みんなでごはんの準備することもまた、家族で気軽に共通体験ができます。家族だと「協力して一つのことに取り組む」機会がなかなかありませんが、家事は家族全員に関わることです。「日曜の夜はみんなで作る」など決めて、料理するのも良いでしょう。
③遠出する
そして、ときには家族で遠出をしてみましょう。
家族旅行は日常よりも共有する時間が長くなります。また、旅先でのアクティビティによって、共通体験をすることもでき、家族の絆を深められるでしょう。
旅行中だけでなく、旅行の思い出は「〇〇に行ったね」「〇〇食べたね」と旅行を終えたあとに、家での話のネタになります。家族の間にあるのは血のつながりだけではありません。共通の体験を持ったり、思い出を共有したりすることで心理的なつながりも持てるようになるのではないでしょうか。
一家団欒が子どもの教育にもたらす価値
ここまで、家族全員で時間をつくる大切さや方法を伝えてきました。
大人と同じように、子どももたくさんのストレスに晒されて生きています。学校での人間関係、学業と成績など、その背景には多くの出来事があります。
一家団欒の時間があることで、子どもは悩みや不安を心置きなく相談できる家庭内での人間関係が生まれます。家が安心できることで、勉強や習い事、自分のやりたいことなどに前向きに挑戦できます。
子どもの気持ちや心の状態を考えずに、子どもの成長にいいからといって、あれやこれやと習い事に通わせたり、勉強をさせたりしても、いずれどこかで心がポキっと折れてしまいます。
子どもも昔と比べると、だいぶ忙しくなりました。ぜひ、無理のない範囲で、家族が集まる時間を作り、子どもの心の土台を作ってあげてください。勉強や習い事で得た知識がスポンジのように吸収しやすくなるのは、心が安定しているからなのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。一家団欒の効果、一家団欒の時間の作り方をお伝えしてきました。そもそも、家族で一緒に過ごす時間を確保するのはけっこう大変なことです。完璧にやろうとすると、苦しくなってしまいます。
最初は小さなことであっても「これなら、できそう」というものを一つ作ればいいのではないでしょうか。家族の時間をつくることは、子どもの成長を支えてくれます。それでも、親の自己犠牲を強いているわけではないのです。大切なのは、家族ひとりひとりにとって、楽しめる時間を持つことではないでしょうか。