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子どもは肌も“成長中”。今日からできる、やさしいスキンケアの基本

公開日:2026/02/13
最終更新日:2026/02/13

近年、子どもの肌トラブルやアレルギーへの関心が高まり、赤ちゃんや子どものスキンケアは家庭でも当たり前の習慣になってきました。一方で、月齢や年齢が上がるにつれ、忙しく日常をすごすうちについケアが後回しに・・・なんてことも少なくありません。
成長途中で大人以上にデリケートな子どもの肌には、どのようなケアが必要なのでしょうか。今回は、一般社団法人 日本ベビースキンケア協会代表理事の幟立眞理さんに、子どもと大人の肌の違いと、無理なく続けられるスキンケアの基本についてうかがいました。


子どもの肌はなぜ敏感なの?
赤ちゃんは、もともと皮脂に守られた状態で生まれてきます。しかし、出産後は環境が大きく変わり、沐浴や外気の影響を受けることで、肌のバリア機能は少しずつ弱まっていきます。そのため、生まれて間もない時期でも、乾燥や赤みといった肌トラブルが起こることは、決して珍しいことではありません。
最近では、産院でもスキンケアの重要性が伝えられるようになり、家庭でのケアへの意識も高まっています。
「赤ちゃんや子どもの肌のデリケートさは、大人の肌と比べるとよくわかります」と話す幟立さん。大人の皮膚の厚みが食品用ラップ1枚分ほどだとすると、子どもの皮膚はその約3分の1。赤ちゃんの場合はさらに薄く、わずかな摩擦や乾燥でも刺激を受けやすい状態にあるといいます。
もうひとつ押さえておきたいのが、汗を分泌する「汗腺」です。実は汗腺の数は年齢によって増えるものではなく、赤ちゃんも大人も同じ数を持っています。体が小さい赤ちゃんや子どもは皮膚の面積が狭いため、汗腺が密集し、大人より汗をかきやすくなります。

大人用スキンケアとのちがいを理解しよう
子どものスキンケアで大切なのは、大人との違いを意識することではなく、子どもの「今」の肌の状態に合っているかを見極めることです。
大人のスキンケア用品は、皮膚の厚みや皮脂分泌が安定した大人の肌を前提につくられています。一方、赤ちゃんや子どもの肌は成長途中でバリア機能も未熟なため、わずかな刺激や乾燥の影響を受けやすく、大人向けの成分設計が強く感じられることもあります。
だからといって、「必ず子ども用を選ばなければならない」というわけではありません。年齢だけで判断せず、香りや刺激の強さ、洗い流しやすさ、使用後の赤みやかゆみなど、実際の肌の反応を見ながら選ぶことが大切です。
肌の状態は、季節や体調、生活環境によって変化します。スキンケアに正解は一つではありません。大人のケアをそのまま当てはめるのではなく、その時々の肌に寄り添った調整が、健やかな肌を育てる第一歩になります。

「やりすぎケア」がトラブルを招くことも・・・
「子どもの肌を守りたい」という思いから、必要以上にケアを重ねてしまうことがあります。けれど、子どもの肌にとっては、「やりすぎないこと」も大切なポイントです。
たとえば「清潔にしよう」とするあまり、石けんやボディソープを使って毎回ゴシゴシ洗ってしまうケース。必要な皮脂まで落としてしまうと、バリア機能が弱まり、かえって乾燥やかゆみを招くことがあります。汗やほこりが気になるときでも、やさしく洗い流すだけで十分な場合も少なくありません。
保湿も同様です。乾燥が気になって重ね塗りしすぎたり、ベタつくほど塗ったりすると、肌の負担になることも。子どもの肌は刺激を感じやすいため、「しっとり感」よりも、赤みやかゆみなどの違和感が出ていないかを目安にしましょう。
また、汚れを拭き取るときの摩擦にも注意が必要です。何度も拭くと刺激になりやすいため、食事のあとなどタイミングを決めて、やさしく拭くことを心がけてください。
スキンケアは、「手をかけるほど良い」というものではありません。子どもの肌を観察しながら、必要なことを必要な分だけ行う。その積み重ねが、健やかな肌を守ることにつながります。

お風呂時間で整える、基本のスキンケア
子どものスキンケアというと「保湿」に目が向きがちですが、幟立さんがまず大切だと話すのは、お風呂での汚れの落とし方です。
「汗やほこり、皮脂が残ったまま保湿をすると、汚れの上に保湿剤を重ねることになり、かえって肌の負担になることもあります」
とはいえ、落としすぎは禁物。石けんやボディソープで毎回ゴシゴシ洗う必要はありません。汚れが軽い場合は、ぬるま湯で流したり、清潔なタオルでやさしく拭くだけでも十分です。「やさしく、必要な分だけ」を意識しましょう。

<入浴は短時間を意識>
子どもの長時間の入浴は、体への負担や、汗のかきすぎにつながります。赤ちゃんや子どもが湯舟につかる時間は、長くても5分以内を目安に。大人が先に洗い終え、そのあとで子どもを洗うことで、短時間でも無理なく入浴できます。

<お風呂あがりは、できるだけ早く保湿>
入浴後の肌は水分が失われやすい状態です。体を拭いたら、時間をあけずに保湿を行いましょう。さらっとしたローションタイプなど、肌になじみやすく日常使いしやすいものがおすすめ。見た目の「しっとり感」より、違和感がないかを目安にします。

<デリケートゾーンのチェックも忘れずに>
お風呂から着替えまでの時間は、肌の様子を確認する大切なタイミングです。赤ちゃんのときはおむつを替える際など折にふれて、おむつかぶれなどをチェックしますが、おむつが外れると、おしりまわりの皮膚のチェックする回数が減ってしまいがち。幼児期は排せつ後、上手に拭けておらず、それが皮膚トラブルの原因になることが多いのです。デリケートゾーンやその周辺が赤くなっていないか、子どもが掻いたりしていないか、よく観察しましょう。

日常の中で、肌を守る小さな工夫
お風呂以外の時間にも、子どもの肌を守るためにできる小さな工夫があります。

<汗をかいたときは“こすらない”>
外遊びの前後や汗をかいた後は、肌が敏感になりやすいタイミング。ガーゼやタオルで拭くときは、こすらず、押さえるようにやさしく拭きましょう。

<日焼け止めは「落としやすさ」もセットで考える>
日焼け止めを使う場合は「無理なく落とせるか」も大切です。帽子や衣服を活用するなど、日焼け止め以外の対策と組み合わせるのもおすすめです。

<「白い砂糖」にスキンケア効果が!?>
家庭でも使われている「白い砂糖」ですが、実は「細胞の形成を促進する」「最近の成長を妨げる」という薬効が認められています。ある「床ずれ」の薬は約70%が砂糖でできているのだとか。「どんなスキンケア商品を選んだらよいかわからない」という方は、成分に「砂糖」が含まれているものを選ぶのも良いかもしれません。

季節ごとの肌トラブルと向き合い方
子どもの肌は、季節や環境の変化の影響を受けやすいものです。とはいえ、特別なケアを増やす必要はありません。季節ごとの特徴を知り、いつものスキンケアを少し調整するだけで、肌トラブルの予防につながります。

<春:花粉・黄砂と紫外線に注意>
春は、花粉や黄砂が肌に付着しやすい季節です。外出時は、肌を覆える羽織ものを活用し、帰宅後はやさしく汚れを落とすことを意識しましょう。また、春の紫外線は意外と強いため、保湿も忘れずに行うことが大切です。

<夏:汗と日差しへのケアを習慣に>
強い日差しやプールの塩素など、夏は肌にとっても厳しい季節。特に日焼けは肌にとっての大敵!皮がめくれるほどの日焼けは避けるように注意しましょう。また、乾燥とは無縁に思える夏ですが、実際には大量に汗をかき、それが蒸発することで肌の水分は失われます。汗が肌に残るとかぶれやすくなりますので、汗は押さえるようにして拭き取り、軽めの保湿でうるおいを保ちましょう。

<秋:油断しがちな時期こそ注意!>
暑さが落ち着くとケアを後回しにしがちですが、秋に怠ると冬の乾燥トラブルにつながります。季節が変わっても、保湿を続ける意識を持ちましょう。

<冬:乾燥対策は「塗りすぎない」>
空気が乾燥する冬。「とにかく保湿を!」という思いからついつい油分の多いクリームをたっぷり塗りたくなりますが、塗りすぎはかえって汚れを呼び寄せることも。さらっとなじむローションをこまめに使い、肌の様子を見ながら調整することが大切です。

肌を守ることは健康を支えること
皮膚は、体の中で最も大きな臓器であり、健康状態を映す「鏡」のような存在です。肌が乾燥すると、顔ダニや花粉などの異物が入り込みやすくなり、アレルギーなどのトラブルにつながることも。子どもの肌をよく観察し、日常的に触れる習慣を持つことは、健康の土台をつくるための、もっともシンプルで確実な方法といえるでしょう。
毎日のスキンケアは、特別なことをする時間ではありません。洗う、保湿する、触れて気づく。その積み重ねが、肌トラブルの予防だけでなく、子ども自身が自分の体を大切にする感覚も育てていきます。
また、小さなころからスキンケアの習慣を身につけておくことは、小学生以降に増えてくる「学童ニキビ」を防ぐことにもつながります。さらに、思春期ニキビや大人ニキビの予防という、将来の肌トラブルへの備えにもなります。

今まであまりスキンケアをしていなかったとしても、焦る必要はありません。大切なのは、「正しくやさしく汚れを落として、保湿をする」ことを、月齢や年齢にかかわらず続けていくことです。家族みんなの肌を健やかに保つためにも、できるところから始めてみましょう。とくに子どものスキンケアは、触れる・観察する・汚れを落とす・保湿するといった、シンプルな積み重ねが基本です。肌に触れる時間は、子どもにとって安心や愛情を感じられる大切なひとときにもなります。

スキンケアは、家族で無理なく続けられる日常の習慣。小さな積み重ねを通して、家族みんなの肌の健康を支えていきましょう。

子どもは肌も“成長中”。今日からできる、やさしいスキンケアの基本1歳から12歳までの学童型知育教室アデック

(プロフィール)
幟立眞理(のぼりたて・まり)さん
一般社団法人 日本ベビースキンケア協会代表理事。1960年広島県生まれ。フードコーディネーター、商品プランナーとして活躍したのち、米国の化粧品メーカーのマーケティング部門で働く。砂糖を使ったスキンケア方法と出会い、未経験だったスキンケア分野に飛び込み、洗浄保湿剤を開発。現在は、子育て世代へのスキンケア啓蒙活動をはじめ、助産師など、専門家向けのセミナーも積極的に行っている。