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集中力アップやリラックスにも効果あり!育児に「色」の力を取り入れてみよう

公開日:2025/02/17
最終更新日:2025/02/17

私たちの世界はたくさんの「色」に囲まれています。色は人間にさまざまな影響を与えることはよく知られていますが、実際、どの色にどのような意味や効果があるのか、あるいは色が子どもにどんな影響を与えるのか、そして色とどのように関わっていけばよいのか気になるところですよね。
そこで今回は、一般社団法人日本ユニバーサルカラー協会代表理事の南涼子さんに、色の持つ力や子どもの成長に与える影響など、さまざまなことを伺いました。子育てに色の力を活かすアイデアについてもお聞きしましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね!


子どもの発達にも影響を与える「色」
五感の中でもより多くの情報を脳に届けるのは「視覚」だと言われています。視覚とは、色・形・奥行き・動きを認識する部分で、知覚の8割以上を占めているのだとか。その次に聴覚・嗅覚・触覚・味覚と続いてゆきます。

「視覚の中でも『色』は一番早く脳に届く情報で、感覚刺激の基本的な要因になります。それだけに、子どもの発達にも大きな影響を与えると考えられています」

色は脳で合成される神経伝達物質である「ドーパミン」の分泌や働きに関係していて、たとえば色を見ることによって感受性が豊かになり、また色を知ることによって抽象的な概念が形成され、楽しい・悲しいといった感情と色を結びつけるようになります。大人が色の名前を教えたり説明したりすることは、認知プロセスの成長にも役立つのだとか。

また、色彩に乏しい環境で育った子どもは、色彩豊かな環境で育った子どもに比べて発達が遅いという研究結果もあるのだそう。さまざまな色に触れることで得られる刺激は、知育にも良い影響を及ぼすのでしょう。

難しい言葉は理解できなくても、言葉でうまく表せなかったとしても、色に例えてイメージを伝えることはできます。色はある意味、感情表現や言語、社会的理解への入り口にもなるんです。

お絵描きで子どもの心理状態が分かる?
色を使うことで抱えている気持ちを視覚化できるのが、子どものお絵描きです。子どもが絵を描きたがるときは、自分自身の中でバランスを取ろうとしているときなのだと南さんは言います。

「お絵描きの中で使われている色は、子どもの持つイメージを投影していることが多いんです。誰かに教えられなくても、不思議と色と気持ちは結びつくもの。絵を描くことは、子ども自身が自分の気持ちを整理することにもつながります」

また「今の気持ちの色は?」と問いかけることでも、子どもの心の状態を確認することができるそう。楽しいときは明るい暖色系を選ぶ、悲しい時には寒色系が多いなど、普段からその子が表す心の色の傾向を知っておくと、子どもが今どんなことを感じているかを知ったり、変化に気づくきっかけにもなるのではないでしょうか。

「色は心を映し出す鏡」と言われるように、心の変化とともに色の好みも変わります。南さん曰く、「子どもの好きな色が変わるのは成長の証」とのこと。子どもが選ぶ色が変わったら、それまでとは違うものに興味関心が移ったのかも。色の好みの変化とともに子どもの成長を見守りたいですね。

その色には意味がある? 色が持つ効果とは?
「赤い色を見ると興奮する」とか「緑を見ると心が落ち着く」などなど、目に入る色が心に何らかの影響をあたえていることは、知っている人も多いのではないでしょうか。では実際、それぞれの色にはどんな意味や効果があるのでしょうか。代表的な色について、南さんに伺いました。

<赤>
気分を高揚させたり奮い立たせたりする色。筋肉の力を強め、交感神経を優位にするなど、特にスポーツなどに取り組む際には効果的な色とされています。同時に脅威や怯えなどを感じる色でもあるため、たとえば筆記試験の時に目に入ると「ミスしてはいけない」という気持ちが強くなり、恐怖心でいい結果が得られないこともあるのだとか。

<青>
想像力を高める色とされています。空の色に似た明るい青は、心を探索的にさせ、さらに落ち着きをもたらします。副交感神経を優位にするため、リラックス効果も期待できます。

<黄>
脳の働きを活性化させます。また、小さな子どもにとっては一番見やすい色であり、幼児向けのキャラクターを思い浮かべてみると、黄色がよく使われていることに気がつくかも。朗らかな印象の色ですが、目立つ黄色がお絵描きに使われているときは、注目されたい、甘えたい、などの気持ちが表れていることもあるのだとか。

<紫>
青と赤が混じった紫は心理的に特異な色とされており、複雑な要素を持っています。インスピレーションを刺激する色で、芸術や建築の世界で活躍する人やアーティストなどは紫に反応する傾向にあるとのこと。想像力をかき立てる色ですが、そのために睡眠の質を低下させるというデータもあり、たとえば寝室の壁紙などにはあまり向いていないのだとか。

<緑>
暖色と寒色のちょうど真ん中にあるのが緑です。調和とバランスのシンボルで、心身の調整を促し疲れを癒してくれる効果があります。免疫力を高めるなど健康効果が高い色で、芝生の上で休憩をすると血圧が安定しやすいという研究結果もあるそうです。

<オレンジ>
人を寄せ付ける暖かい色。優しくて穏やかな、温もりを感じさせてくれます。家族団らんのイメージに近く、キッチンの小物との相性もいい色です。子どもが好みやすい色でもあります。

照明の「色」が与える影響について
ここまでは「物」の色に注目してきましたが、見落としがちなのが「光」の色。物質の色と光の色とではその働きや効果が異なるようです。

たとえば、オレンジ色の灯りの下では、リラックスして想像力が豊かになるのだとか。夕方以降は睡眠に備えて体内リズムを整えやすいオレンジ色の照明がおすすめです。一方、青系の光は日中の色で、脳が覚醒する効果があるのだそう。昼光色や昼白色の照明は仕事や勉強するときに効率がアップするそう。

オレンジ色の電球色は、人々を情緒的、感情的にさせ、反対に青色の昼光色や昼白色は人の心や頭の働きを論理的にさせるとのこと。学校の宿題に取り組む時には昼光色や昼白色、絵本の読み聞かせをしたり読書する時には電球色のように、シーンに合わせて照明の色を変えてみるのもよいかもしれませんね!

それぞれの場面に向いている色はある?
これほど私たちの暮らしや子どもの成長に影響のある「色」の力。であれば、子育てにもぜひその力を活用してみたいですよね。そこで、よくある子育てのお悩み別に、色の活用のしかたを伺いました。ぜひ参考にしてみてくださいね!

●集中力が続かない・・・
持続的な集中には脳を興奮させ過ぎない色がおすすめなので、目につく場所に「青」や「緑」を使うとよいでしょう。青は時間の経過を短く感じさせる効果があるとのことです。また短期的な集中力を発揮したいのなら、「赤」「黄」など脳の働きが活発になる色がおすすめ。

●落ち着きがほしい!
「緑」は落ち着きを促す色です。緑の中でも深緑や青緑などの色がおすすめ。また「ピンク」も興奮を抑えてくれます。幸福感や安らぎ、穏やかさなどを与える色なので、落ち着いてほしい時には良いそうです。

●うっかりさんには?
忘れ物が多いなど、うっかりさんには「赤」がおすすめです。赤は注意を促すので、次の日の準備をする場所に赤を取り入れてみてください。チェックリストでもいいですし、おでかけの準備をするスペースに赤いマットを使うなどしてもOKだそうですよ。

●食が細い子には?
オレンジ色は食欲を高める色です。食器やカトラリーに使ってみると効果的だそう。反対に赤い食器類は食欲が減退するとのことですので避けるのが無難でしょう。食べ物がおいしそうに見えるのはコントラストがはっきりしているときなので、食べ物とお皿の色に注意してみてください。

勉強やスポーツの試合、試験など、さまざまなシチュエーションに活用できる「色」の力。もちろん、さまざまな経験を積むことで、ラッキーカラーやここぞという時の色など、子どもなりの「お気に入り」が生まれることも。そんな時には色の効果だけを考えるのではなく、子どもの気持ちを優先させてあげることも大事です。
色がもたらす効果は、子どもだけでなく大人にも有効。世界に溢れる色々な「色」に注目して、親子で楽しんでみてくださいね!

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プロフィール
南 涼子さん
一般社団法人日本ユニバーサルカラー協会代表理事。健康検定協会理事。日本保健福祉ネイリスト協会顧問。山野美容芸術短期大学講師。広告制作会社に勤務していた際、色彩の重要さを知り、1997年、文部科学省認定ファッションコーディネート色彩検定一級を取得。その後、高齢者施設・医療施設の色彩計画や認知症に対する色彩研究に取り組む。2003年に日本ユニバーサルカラー協会を設立し、さまざまなテーマで講演会や講座、執筆を行うほか、大学や専門学校、カルチャー講座講師を務める。2010年に色と形を立体化させた「クリスタルカラーセラピー」を考案開発し、各メディアで多く取り上げられている。『一瞬で心が整う「色」の心理学』(青春 出版社)、ビジュアル図鑑『今と未来がわかる色彩心理』(ナツメ社)など、著書多数。