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身体も脳も鍛えられる!身近で意外と奥深い「鬼ごっこ」遊び

公開日:2025/03/12
最終更新日:2025/03/12

子どもの遊びの定番のひとつである「鬼ごっこ」。身近でなじみ深い遊びですが、実は運動能力を高めるだけでなく、あらゆるスポーツ・運動に繋がる「コーディネーション能力」や「チームワーク」を鍛えることもできる遊びでもあるんです。
「鬼ごっこ」で、子どもの能力どんな能力が伸ばせるのでしょうか?室内や少人数など、さまざまなシチュエーションで楽しめる「鬼ごっこ」の遊び方は?そして、新しい鬼ごっこのカタチである「スポーツ鬼ごっこ」とは?
「鬼ごっこ」の奥深さと楽しみ方ついて、一般社団法人鬼ごっこ協会の羽崎貴雄さんにお話しをうかがいました。


そもそも「鬼ごっこ」とはどんな遊び?
「鬼ごっこ」というと、「鬼」になった人が逃げる人を追いかけて捕まえる遊び、というイメージを持つ人も多いかもしれません。もちろん、こうしたシンプルな「追いかけっこ」も鬼ごっこの遊び方のひとつですが、その他にも「缶蹴り」や「ハンカチ落とし」、「陣取り」、「だるまさんがころんだ」など、「鬼」が出てくる遊びはたくさんあります。こうした「鬼」の登場する遊び全般を「鬼ごっこ」と言います。

羽崎さんによると、鬼ごっこの歴史はとても古く、平安時代初期から宮廷の宮中行事として行われてきた鬼払いの儀式「追儺(ついな)」が起源だといわれているそう。もともとは五穀豊穣や天下泰平のために行われていた行事を、当時の子どもたちがまねすることで、遊びのひとつになったと言います。

江戸時代には鬼ごっこは「ことろことろ」という呼び名の遊びになりました。鬼ごっこ協会はこの遊びを大切に継承しているといいます。

「『ことろことろ』は、『子をとろ子とろ』とも呼ばれていました。『子をとろ』とは、鬼が子どもを取ってしまうこと。鬼に子どもをとられないようにみんなで協力しながら遊ぶ鬼ごっこなんです。やり方や意味を知ると、『ことろことろ』は単純な追いかけっこではなく、皆で力を合わせて、子ども、つまり弱い者を守る遊びであることが理解できます」

親が子どもを鬼から守ってあげる…遊びを通じてこうした「家族観」も学べる「ことろことろ」は、戦前は道徳の授業で導入されていたのだとか。こうした歴史や意味を知ると、鬼ごっこが長く遊ばれてきた理由や、「単なる追いかけっこだけを指すのではない」ということがよくわかります。

鬼ごっこをしない世代が増えている?
さまざまな遊び方のある「鬼ごっこ」。でも、残念なことに子どもが「鬼ごっこ」をして遊ぶことは、世代を追うごとに少なくなってきていると羽崎さんは言います。

「私が子どもの頃は毎日のように『缶蹴り』などの遊びをしていました。でも世代が進んでいくと『缶蹴り』をやったことがないという人が多くなってきて、今の子どもたちは、『缶蹴り』という言葉は聞いたことがあってもやったことがないという子がほとんどなんです」

子どもが安心して遊べる環境が少なくなりつつある一方、ゲーム機やオンラインゲームが進化・浸透してきている昨今。「このまま子どもは鬼ごっこをしなくなってしまうのでは・・・」なんて思ってしまいますが、実はそうではありません。

たとえば子どもたちに人気のオンラインゲーム『フォートナイト』には「缶蹴り」の要素が感じられますし、同じく人気の『スプラトゥーン』は「陣取り合戦」の要素があります。つまり、昔は外に出て実際に身体を動かして楽しんでいた「鬼ごっこ」を、今の子どもはオンライン上で、ゲームとして楽しんでいるのだとも言えます。

「大人はつい、ゲームをやりすぎてはダメ、なんて注意しがちですが、『ゲームみたいにわかりやすくておもしろい外遊びがあるんならやりたい』というのが、子どもたちの言い分なのかもしれませんね(笑)」

シンプルな追いかけっこの場合、当然、足の速い子や、俊敏な動きができる子が有利になります。逆に、あまり足が速くない子にとってはつまらない遊びになってしまうことも。

運動能力だけで勝敗が決まるのではなく、誰もが楽しめるように、ルールを決めて仲間と協力したり、弱い立場を守る役割をプラスしたり…一緒に遊ぶ仲間どうしで遊び方を工夫することで「鬼ごっこ」は子どもたちにとってより魅力的な遊びになっていきます。

「鬼ごっこ」で遊ぶメリットとは?
では、実際に身体をうごかして遊ぶ「鬼ごっこ」は、子どもの能力どんな能力が伸ばせるのでしょうか?

●運動神経がアップする
本気で鬼ごっこをすると、かなりの運動量になります。なかにはサッカー以上に運動量が多いものも。俊敏性、瞬発力などの運動神経も身につきます。

●コミュニケーション能力が養われる
未就学児なら、年長さんが年下の子どもたちに。小学生なら学年が上の子が、下の子にルールを教えたり、リーダーとなって皆をまとめることで、コミュニケーション能力や社会性を身につけることができます。また、役割を変えて遊ぶことで、互いの立場を理解できるようになります。

●思考力が養われる
ルールを理解したり、どうすれば攻略できるかを考えることで、思考力も養われます。

このように様々な能力が伸ばせる「鬼ごっこ」ですが一番大事なポイントは、これが「遊び」であるということ。実際に遊ぶ子どもたちが、「身体をうごかすこと」や「頭を使うこと」を楽しめるように遊び方を工夫することが何より大切です。

子どもにおすすめの「鬼ごっこ」を教えて!
●ことろことろ
鬼役:1名、親役:1名、子ども役:数名

「親」が先頭に立ち、「子ども」は親の後ろに立ちます。
前の人の肩か腰をつかんで一列につながります。
先頭に立つの「親」は、両手を広げて動きながら、「鬼」から子どもたちを守ります。
鬼が、列の一番後ろにいる「子ども」にタッチしたら「鬼」の勝ち。
タッチできなければ親+子どもの勝ち。
「親」が「鬼」の動きを阻止するために「鬼」をたたいたり、列がバラバラになってしまうと、ルール違反で鬼の勝ちとなります。

●田んぼ(十字鬼)
鬼役:1名 逃げる役:数名

地面や室内に「田」の字を描き、区切られた4つの場所を部屋に見立てます。
一つの部屋からスタートし、逃げる役が1周回ってもとの部屋に戻れたらあがり。
「鬼」は、「田」の字の中央の十字の線上だけを移動して、逃げる役にタッチします。
「鬼」にタッチされた子は、「田」の外に出ます。最後まで鬼にタッチされなかった子が勝ち!
「鬼」にタッチされた子が「鬼」になって逃げる子をタッチする、子の移動はケンケンのみにする、鬼の道の幅を広めにして、子はその道を踏んではいけない、などルールをアレンジしても遊べます。
「田」のサイズは、一辺5m~。人数が少なければもう少し狭くてもOKです。

「2~3歳の幼児だと、まだルールが理解できないこともありますが、まずは『田』の字の部屋をぐるっと回ってみることから始めてみるとよいでしょう」

「スポーツ鬼ごっこ」にハマる子が増加中!
さらに、鬼ごっこ協会では「スポーツ鬼ごっこ」という新しい鬼ごっこを開発し、イベントや大会を開催しています。

昔ながらの缶蹴りや、ドロケイなどの要素もあり、さらにスポーツと遊び、ゲーム感覚も取り入れられた鬼ごっこであり、「追いかけっこは好きではないけれど、役割を考えて遊べる『スポーツ鬼ごっこ』は大好き」という子どもも多いのだとか。

「スポーツ鬼ごっこの大会もありますし、地域のスポーツイベントで体験できる機会も増えています。プロサッカーのユースチームが、練習の一環として導入しているケースもあるんですよ」

スポーツ鬼ごっこを楽しむイベントは全国で数多く開催されており、「スポーツ鬼ごっこ」のチームも増えているそう。また、ワールドカップ大会なども開催されており、年々プレイする人数は増えているといいます。

「ルールも一見むずかしそうなのですが、ゲームに慣れている今の子どもたちは、あっという間にルールを理解して楽しんでくれますよ」

遊びとして楽しいのはもちろん、ルールを覚えながら身体を動かすことで、知らず知らずのうちに身体能力やコミュニケーション力、チーム力などが育まれるなんて、ワクワクしませんか?もし近くで「スポーツ鬼ごっこ」のイベントがあったら、ぜひ一度親子で参加して、「スポーツ鬼ごっこ」の楽しさを体験してみてくださいね。

古来から伝承され、さまざまな遊び方が発展してきた「鬼ごっこ」。その多種多様な遊び方の背景には色々な年代や個性をもった子どもたちが「一緒に、楽しく遊べるように」という思いと、そこから生まれた創意工夫があるんですね。

一般社団法人鬼ごっこ協会では、今回ご紹介した以外にも、室内でできるものや少人数で遊べるものなどさまざまな「鬼ごっこ」の遊び方を紹介しています。少しずつ温かくなり、外で遊ぶ機会も増えてくるこの時期。子どもと一緒に楽しめる「鬼ごっこ」のやりかたを調べて、一緒に遊んでみてはいかがでしょうか。

【鬼ごっこで遊ぼう!公式サイト】
https://lets-play-onigokko.onigokko.or.jp/

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(プロフィール)
羽崎 貴雄さん

一般社団法人鬼ごっこ協会 理事。公認S級ライセンス指導員・審判員。国際スポーツ鬼ごっこ連盟理事長。株式会社アミカ企画 代表取締役社長。青山学院大学経済部卒業後、株式会社アミカ企画を創業し、地域に密着した映画や舞台、イベントプロデュース事業を展開。著書に、「まるごと鬼ごっこ」「鬼ごっこを楽しむ」「鬼ごっこはスポーツだ」(いずれも『いかだ社』)などがある。